4.店にて、酔っ払いたちと



「アハハッ、順一ハ変態デースネー!」
「ホントだなー! あはははははは!」
 二人はいつの間にか持ってきていた缶ビールを片手に、ケラケラと大声で私の姿を笑った。
「あんたたちがやったんでしょーに!」
 私は衣服を全て没収されてしまい、仕方なく近くにあったひざ掛けを腰に巻き、下半身を隠していた。暖房の効いている部屋とはいえさすがに肌寒く、鳥肌が立ってくる。思わず腕を手で擦って暖めてしまう。
「寒かったら私が人肌で暖めてやるぞ」
 その様子を見た大輝は両手を広げて私を歓迎した。大輝も半裸だというのに寒くないのだろうか。
「折角ダシ暖メテモラッタラドウデスカ?」
「わわっ」
 ロイドが急に私の背中を押してきたせいで私は大輝に抱きつく形になってしまった。
「いらっしゃーい」
 そう言い、大輝は私を拒むことなく、私の顎が大輝の右肩に乗る形で思いっきり抱きしめた。冷たい空気に晒されていた体に肌のぬくもりが直接伝わってくる。
「ソレジャ私ハ後ロカラ」
 ロイドが後ろから抱き付いてくる。だいぶ暖かくなったのはいいのだが、この光景は様々な意味で人に見せられない。しかし三人で仲良くするのは久々のことなので、少し幸せな気分に浸る。酔っ払いのやってることだから仕方ないし、と自分に言い聞かせた。
「まったく大輝もロイドも……ってなっ、何やってんですか!」
 二人は息を合わせたかのように、いきなり私の体を弄りだした。酔いが回っているにも程がある。
「いやー、笹本もちゃんと鍛えてるんだなーと。感心感心」
 大輝は抱きしめた格好のまま、私の腰から臀部をさすっている。これはただのセクハラだ。この体勢では二人の顔は見えないが、きっとニヤニヤと笑っていることだろう。
「ワザワザ人ニ見セ付ケルダケアッテ、二人トモ筋肉ガ凄いデスヨ」
 ロイドは指先で脇から胸にかけての筋肉をなぞるように触ってきた。くすぐったくて声が漏れる。
「あはははっ、やっ…やめろよ! くすぐった…ははは!」
「順一ハ脇ガ弱インデースネ」
 そしてロイドはここぞとばかりに脇を集中的にくすぐってきた。
「いやいや、笹本は全身弱いんだぞ」
 一方の大輝は腰を爪で軽くこするように撫でてきた。ゾワゾワとして体から力が抜ける。
「あーはっはははは! 二人とも…あはっ、やっ…やめて…あははっ!」
 涙が溢れるほど私は笑い転げる。
「ほれほれー!」
「ドウダー!」
 二人の猛攻は止まらない。笑いすぎて脳の血管が切れてしまいそうだ。
「あっ、あはは! ほんと…許してっ、あはははは!」



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